陰と陽/統一体観

静止、女性、夜、内側、柔軟、下半身、地などは「陰」で、運動、男性、昼、外側、硬い、上半身、天などは「陽」となります。これらは変化を表すもので、自然界の全てを二つに大別した考えです。もっと言えば対立関係にあるものを指していて、役目を入れ替えるために変化していきます。陰が増強するとこれに対して陽が強まり、その反対も同様です。つまり、両者は相互に調節しながら動いているものです。また、いずれか一方においてそのコントロールがうまくいかなくなるとバランスを崩しますが、其の場合、減弱してしまう方を偏衰(へんすい)、増強されてしまう方を偏勝(へんしょう)と呼びます。

人間の体温で考えると、夏はアセを出して陰を強め、冬は陰が強くならないように汗の腺を閉じて熱の発散を抑制するというものです。また、夜の陰から日が昇ると陽が強くなるという考え方もできます。これらは東洋医学のいう統一体観という考え方に由来します。

宇宙そのものを統一体として捉えると、人間もその一部になります。細胞もそれぞれ孤立している訳ではなく、宇宙を構成する要素となります。これが統一体観(とういつたいかん)と言われる考え方で、宇宙や人間だけではなく、その全てが同様の法則に則っているという概念です。陰陽もこの概念に基づきます。