怒・思・恐怖~内因・七情~

肝臓の損傷は過剰に怒りを感じた際にも生じます。疏泄(そせつ)の働きは気を運ぶもので、肝が担っていると東洋医学では考えられています。つまり、気の動作は肝の損傷によって支障をきたし、気が上った状態を持続させてしまいます。気の循環がうまく行われなければ、血の循環も不調になります。血が頭に上ってしまう例では、怒ったときなどが該当し、顔は紅潮していきます。その際、脳血管を破裂させてしまう状態がこれにあたります。

食物の消化吸収に関わっているのが脾ですが、この臓腑の働きは長期間考え込んでしまうことで弱まることがあります。脾の弱体化は消化吸収に支障を来たし、延いては胃や小腸などにも害悪を与えます。更に、心に痛みを生じるとされますが、これは気の循環が停滞するためと考えられています。しかしこの状態になると不眠や記憶障害、動悸などを招くこともあると言われています。

腎が損傷を受けると腎気の貯蓄がうまく行われなくなります。極端な恐怖は腎を損傷させると東洋医学では言われており、気は下に落ちてしまいます。腎気が下に落ちるといえば、失禁などがこれにあたり、尿と便を漏らしてしまうといった状態を招きます。