体内へ津液が取り込まれてそれが排泄されるプロセスのいずれかでバランスの変化が発生すると排尿障害や浮腫などの症状が現れます。体の全域へ津液を循環させているのが肺です。あちこちから寄せられてきた津液を区分し、再利用できるものは肺へ上げるのが腎の機能です。肺のバランスに変化が発生すると浮腫などの症状が出てきます。腎によって津液の再利用が不可と判断されたものは膀胱へ送られ、体外へ排泄されることになります。膀胱の開閉は腎のバランス変化によってその機能に支障をきたし、排尿障害や浮腫などを招きます。
下痢などは腎のバランス変化によって起こることがあります。これは腎によって胃腸や脾が保温されているためで、腎に変調が現れると正常に機能しなくなります。吐き気や食欲不振、胃痛などは取り込んだ栄養素が胃から小腸へうまく運ばれないと発生します。便秘や下痢といった症状が小腸や大腸のバランスの変化から発生することがあります。また肝にバランスの変化が生じると脾の働きをサポートしにくくなり、下痢を招きます。肺にバランス変化が現れると大腸の機能を補いにくくなり、結果として便秘や下痢を招きます。
東洋医学では現れた一つの症状に対して各臓腑が複数関与していると考えられています。