血の変調から起こる血病

血熱(けつねつ)は体の中に熱が篭って、その熱が血に伝わることを言います。この状態になると血流が正常ではなくなり、そのスピードから毛細血管を破壊してしまうと言われています。出血傾向が現れるのはこのためだと考えられています。血寒(けつかん)は体内が冷却されたために、それが血にうつり冷えてしまった状況を指します。これが継続すると血に粘度が出てきて凝集し、血滞を招きます。於血(おけつ)はこういった血液が溜まった状態で、血於と呼ばれる疾患を招きます。この疾病には痛みがあり、刺すような感覚を持つことから刺痛(しつう)と呼ばれます。同一場所において一律の痛みを生じるもので、気滞とは異なります。痛みには特徴があり、傷む部分を押さえて喜按(きあん)が発生する場合は、本症とは異なります。喜按は快感が抑えることによって発生するもので、本症は拒按と呼ばれる、より苦痛が生じるものです。

血虚(けっきょ)は、体内の血が不十分になっている状況を指します。この状況になると養分が体の全域へ運搬されにくくなり、病気になると考えられています。原因は胃や脾に認められる場合もあれば、摂取する食物のバランスが悪いケースもあります。血病(けつびょう)は血の変調から招かれる疾患であり、東洋医学では、上述の血虚、血熱、血寒、血於から引き起こされると考えられています。