東洋医学で言う腹痛は小、少、大腹痛の三つに分類されます。小腹痛は小腸や大腸、膀胱、子宮、腎に変調を来たしていると考えられ、痛みはへそから下に感じます。少腹痛は肝の変調が考えられ、小腹両側に痛みを生じます。大腹痛はへそから上の部分に痛みが生じ、胃及び脾に変調を来たしていると思われます。いずれも虚証と実証の痛みがあります。胸痛は気の流れが滞っており、心肺が火邪及び寒邪によって変調を来たしています。津液と血が滞っており、陽気が不十分です。頭痛は津液、血、精、気のどれかが不十分になり、これを頭部に届けられないため、虚証の痛みを生じるものと、血や津液が滞ったり、外邪が入りこむことで、頭部に陽気が上がりすぎ、実証の痛みを招くものがあります。
四肢痛は手足へ栄養が届けられにくくなり、胃と脾の機能低下から虚証の痛みを招くものと、血や気の巡りが経絡や筋肉、関節への邪気侵入から阻害され、実証の痛みを引き起こすものがあります。また手足の膝と肘が主に痛みます。腰痛は腎の温度を上昇させて栄養をうまく届けられず、腎精不足から虚証の痛みを招くものと、腰部経絡に邪気が入り込んで、実証の痛みを引き起こすものがあります。胃痛は胃の変調が原因であり、肝の気や寒邪が入り込んだり、消化不良などから生じます。