蔵血~肝の失調~

血を溜めてその排出量をコントールしているのが東洋医学で言う蔵血(ぞうけつ)機能で、肝の働きの一つです。血が不十分になると機能不能になる組織が見られるようになり、溜めるのに支障が出ると血が肝から漏れでて出血傾向を見るようになります。女性においては生理が長期化したり、多量の経血が認められます。また肌に出血由来の斑点が見られることもあります。

爪や眼、筋と深い繋がりを有するのが肝です。筋膜や靭帯、腱は筋のことでこれらは養分を肝の血によって得ています。蔵血の働きが調子を悪くすると血が不十分になり振るえや痺れを招きます。爪にも異変が現れ、すじの出現や変形、変色などが見られます。また筋が弱体し、血が不十分であるのに運動を行うと怪我などのトラブルを引き起こしやすいとされます。

眼を必要以上に使うと、大量の血が肝において消費されると言われています。肝のバランスの変化は眼精疲労などによっても引き起こされることがあり、その場合、視力低下や霞などを生じます。