望診~病色・常色~

皮膚の光沢や歩行、体格、スタイル、顔色など身体の見た目の全てを調べるのが望診(ぼうしん)です。つまり目で全身に異常がないかを判定することを言います。血や気が停滞して顔色が青っぽいと体内へ寒邪(かんじゃ)が入り込んだと考えられます。血や気が不足するとその機能に支障を来たし、顔面も白っぽくなると言われています。病色(びょうしょく)は病を患っている患者の顔色のことで、常色(じょうしょく)は健全な方の顔色です。病色には五つの色があると言われており、臓腑が正常でない場合、五行色体表を基礎に判定されています。種類には白、黒、赤、青、黄があり、各臓腑と顔面の各箇所は深く関与しています。このため、顔面は臓腑の影響を受けやすくなっています。

臓腑に異常がないと、患者の目も健全であると言われています。望診で顔を見る際は、特に目が注目されます。津液が正常でなくなると、目がくぼんでしまったり、熱が脾に生じると、赤く瞼が腫れてしまうことがあります。

皮膚に光沢がなくて白っぽく、肥満の人は津液が停滞していたり、陽気が足りないと考えられます。肌が乾燥して青白っぽい顔色で痩せていれば、血が不十分ではないかと推測されます。