聞診~声・呼吸音・体臭~

患者との会話から情報を取得するのが聞診(ぶんしん)ですが、実際には排泄物などの匂いをかぐことも含まれます。問診、望診と共に実施されるケースが多く、咳、声に限らず話し方も診られます。通常、会話の中で最初に声の高さや低さ、強弱、かすれていないかなどを判断します。話し方のテンポも聞診において重要な対象となります。いずれも発声の変調を確認するためですが、これは各器官に発生した異常によって声にも影響が出るからです。鼻や歯、骨格、筋肉、唇、舌、またこれらと関与する内臓などに異常が生じると発声にも変化が出現すると考えられています。

声に続いて聞診では呼吸音なども確認され、その回数や長短を診ます。呼吸困難が見られないか、ゼイゼイや喘ぐといった症状を確認します。また咳が認められる際は、痰がからんでいるのかどうかも見ます。

胃の気が上がって生じる症状にはゲップやシャックリがあります。ゲップは胃と肝の機能低下から生じると言われています。しゃっくりは力のないものであれば気が不十分になっていると考えられます。強いしゃっくりは熱が篭っているとされます。いわゆるため息は会話の中でも見られますが、こちらは気が停滞しておりストレスが原因と考えられます。