同病異治・異病同治・弁証論治・八鋼弁証

東洋医学の治療は証に沿って行われますが、弁証論治は各個人で違ってきます。論治とは証を元にした治療のことを指していて、その方法は現れた症状の違いや体質の違いなどによって一人一人に合ったものが採用されます。つまり、複数人に見られる同一の病気であってもその進行の程度や体質が異なれば、その治療は一人一人異なり、証も違ってくるケースがあります。同病異治(どうびょういち)とは上記のように同一疾患であっても証が異なることから、それぞれ違う治療法が行われることを意味しており、東洋医学での考え方です。一方、西洋医学では同一疾患に対して同じ治療を選択するケースがほとんどです。

異病同治(いびょうどうち)とは証が同一で疾患が異なっているものを指していて、同一の治療法が行われることを意味します。

八鋼弁証(はっこうべんしょう)は東洋医学でよく採用される弁証法ですが、弁証法そのもののタイプは幾つかが存在しています。いずれも違った観点からアプローチするため、状況に応じて妥当な弁証法が採用されます。証が錯綜していれば、その都度適切な弁証法が利用され、詳細にサポートし完全なものにして行きます。