外界の綺麗な気を精気(せいき)と言い、反対に体の中を循環して汚れた気を濁気(だくき)と言います。肺はこれらの気を体内に取り入れて、循環させ、それを体外へ排出させる役目があると考えられています。どちらも東洋医学の考え方です。
宣発は栄養分をはじめ、津液や気などを体の全域に拡散させる働きのことを言います。上部に運ばれ、それが体の全域に広がるとされます。粛降は上記栄養分、津液、気といったものを下側に移動させる働きを有します。体の中にある濁気は上部外側へ宣発によって移動し、外部に排出され、衛気(えき)が体の表層で拡散されるようにしているとされます。この衛気が体のすみずみに届くのも宣発の機能によるものと考えられています。その他、体内水分の変化はこの宣発と粛降の働きによってコントロールされていると言われています。尚、衛気とは、身体を保護すると考えられている気のことを言います。
肺に異常が発生すると、肌のつやは失われ、鼻水が漏れ出るようになります。これは体毛、肌、涕が肺と深い関係にあると考えられているためで、涕は鼻水のことを指します。このため、肺に異常が無ければつやのある肌を呈すると共に鼻水が垂れるといった症状を訴えることもないと考えられています。