八祖脈~脈象は血と気の異常から出現する~

平脈(へいみゃく)は体に異常を認めない際の脈を意味します。通常、70回前後が一分間における脈拍数で、その調子も一律です。つまり、少なくも多くもなく、浅くも深くもないということです。この脈は手首の寸口(すんこう)の内、尺・関・寸のいずれでも触れる事が可能です。

病脈は二十八種類で構成されており、これは体の調子が悪くなった際に生じる脈象(みゃくしょう)を意味します。この内、八祖脈(はちそみゃく)と呼ばれているものは、遅脈(ちみゃく)、数脈(さくみゃく)、滑脈(かつみゃく)、しょく脈、浮脈(ふみゃく)、沈脈(ちんみゃく)、虚脈(きょみゃく)、実脈(じつみゃく)です。残り二十種類にもそれぞれ名称が有り、脈拍数やその強弱などから分類されます。

遅脈は六十回以下が一分間における脈拍数となります。つまり、遅いという事です。数脈は反対に九十回以上と速くなります。滑脈は、滑らかな脈を意味していて、しょく脈は動作に抵抗が生じます。浮脈は指が軽く触れるだけで感知できるもので、肌の浅い部分に認められます。沈脈は反対に感知できにくいもので、肌の深い部分に脈があります。虚脈は軽く押すと消えてしまう感じで、肌の浅い部分で感知されるものです。実脈は脈も強く、深さに関係なく感じ取ることができます。