按診(あんしん)は病気になった人の手足やお腹など痛む箇所を直接触れて判断する方法を言います。押したり、さすったり、なでたり様々方法で触れますが、腹診(ふくしん)は按診に属します。つまり腹部を診るわけですが、これによって体の健康状態や慢性疾患の診断に役立つとされます。通常、足を伸長させあおむけになった患者の腹部に触れます。その際、直接目で見て肌や腹部の形、どの程度太っているかなどを確認します。また厚いのか薄いのかを見たり、押した際の痛みの有無、弾力の程度、叩いた際や内部の音、筋肉のつき具合などを診ていきます。ただし、摂取したものが胃に残存すると、誤診のおそれがあります。適正に検査するためには、受診時から遡って一時間前ぐらいから絶食することが望まれます。更に便や尿は診察前に終わらせておく事が薦められます。
腹診では小腹、脇腹、少腹、臍下、脇下、臍上、心下が見られます。いずれも腹部を診る際の、場所の名称です。また東洋医学では問題となる張りなどがないかどうか、腹部を緊張させて診察します。一方、西洋医学においては腹部の緊張を解いて、固まったものなどを見つけやすくします。そのため、東洋医学のように足を伸長させず、逆に足を曲げさせて診察するケースが多くなっています。