表裏弁証~八鋼~

陰・陽・表・裏・寒・熱・虚・実が八鋼(はっこう)と呼ばれているもので、それぞれ陰陽、表裏、寒熱、虚実といった具合の組み合わせになっています。東洋医学では証の確定をしなければならず、それをするためには四診(ししん)が採用されます。この方法によって取得したデータを基礎に病状を把握し、証を決定します。ところがそのデータが複雑でどの部分から処理すればいいのか判断できない時もあります。こういったときに証を見極める手段として弁証法が存在しています。よく知られているのが、上記に述べた八鋼弁証(はっこうべんしょう)と呼ばれているものです。

まず最初に行われるのが病変を認める位置が表と裏のいずれに該当するのかというものです。表裏弁証(ひょうりべんしょう)とはこのことを意味していて、体表面に病位を認めるものは表証(ひょうしょう)です。之に対し、身体の奥に位置する骨髄や臓腑、血脈に病位を認めるものは裏証(りしょう)です。

いずれも治療法が確定するだけの情報はありませんが、多くの表証は初期段階の風邪であるようです。他方、裏証は風邪とは別の病気であることが多いとされます。