実証の有様

身体に不要なものが認められる有様を実証(じっしょう)と言い、これには欠かせないものでも大量に存在することで不必要となるものも含まれます。更に言えば、邪気などが体内へ入り込む場合もやはり不要なものであるため、実と解釈されます。また実の状態は、気実(きじつ)、津液実(しんえきじつ)、陽実(ようじつ)、血実(けつじつ)、陰実(いんじつ)のことを指していて、それぞれに対応する気(き)、津液(しんえき)、陽気(ようき)、血(けつ)、陰液(いんえき)が過剰になっている有様です。

実証は厳密には上記の五つと考えられますが、通常これに食滞(しょくたい)も含まれます。つまり、上記で対応するものを過剰摂取することで消化不良を招くからであり、過剰になったものを除去することで治療は行われます。

具体的には熱が上昇して陽が高くなった場合、発汗させて熱を下げるようにします。反対に寒さを感じて陰の勢力が高まると、体温を上昇させて体を温めます。また津液や血、気の循環が低下して滞った場合、浮腫や痛みを発生させるため、その部分に刺激を加えて巡りを改善させ、滞らないようにします。