寒熱~発熱・発汗・悪寒・問診~

東洋医学で言う発熱は、身体の特定箇所に熱を感じた場合を指します。悪寒は寒気を感じてゾクゾクとする症状ですが、風邪などの初期症状でよく見られます。しかしこの悪寒は体温を図った際に必ずしも上昇しているわけではありません。つまり、東洋医学では実際の体温上昇に関係なく、熱さを感じた場合に発熱と呼ばれる症状に分類されます。

寒熱(かんねつ)は東洋医学で発熱や悪寒のことを指しています。しかし、問診において寒熱を診る際にはこの二つを明確にする必要性があります。要するに、時同じくして発熱と悪寒が生じているのか、それともどちらか一方のみ生じているのかを判定することになります。通常風邪をひくと数日経過してからこの二つ症状が同時に引き起こされます。その際、熱の上昇を認めず悪寒のみを生じる場合があります。これは老人や衰弱している人に多く見られる症状です。

汗は寒熱と深く関わっており、上記のような現象では寒邪に侵入されているものと考えられます。また発汗が見られないという症状は体力がついている人にも認められます。一方、熱の上昇と共に悪寒を感じる場合、身体が風邪(ふうじゃ)に侵されていると考えられます。つまり普通の風邪であり、もともと体力があまりついていない人によく見られます。そして内臓の病気や体調不良を原因として生じる汗もありますが、この場合、熱の上昇や悪寒が引き起こされないことが多いようです。汗は肺の機能低下や過労、慢性疾患に起因して生じることが多いようです。