気病/きびょう

気病(きびょう)は、気が異常を招くことで、防御、温煦、固摂、推動、気化の作用に変調をきたしたものです。防御は邪気から身体を保護する働きで、温煦(おんく)は、体を温める、固摂(こせつ)は漏れないようにする、推動(すいどう)は推して動かせる、気化は分解の働きです。

この気病は更に気逆(きぎゃく)、気陥、気虚、気滞(きたい)といったものに分類されます。気虚によって気が不十分になると、推動に支障がでて身体の全域に気がめぐり難くなります。気陥は津液など上側に推す力を失った状態のことを意味し、延いては内臓も落ちてきて腹部膨満感などを招くと考えられています。気逆は上に押し上げられた気が下に降りてこない状況を指し、胃や肺などで見られます。喘息などがその代表例です。

気滞は、うまく気が巡らず滞った状況を指していて、腹痛などを招くといわれています。この気滞は外部に出るガスやゲップなどによって緩和すると言われており、脹痛(ちょうつう)と呼ばれる胃の張りから痛みを生じる症状などを示します。