腎/主水・納気/尿・膀胱

水分の分解をコントロールすることを主水と言い、腎機能の一つです。体の全域を巡ってきた水分を必要なものと要らないものに分けるのが腎です。腎で再吸収された必要となる水分は、再び全身を巡ります。一方、要らないと判断された水分は膀胱へ送られて体外へ尿として出て行きます。主水の働きに異常を来たすと、水分の分解に支障が現れます。浮腫などは本来体外へ出て行くべき水分が滞ってしまった結果だと考えられています。腎のバランスの変化によって膀胱が正常に機能しなくなると頻尿や欠乏、失禁を招いたりすると言われていますが、これは腎が尿を排泄する機会を判断しているからだとされます。

納気は外界の清気(せいき)を肺によって取り込んで、それを腎におさめる働きのことを言います。この機能に異常をきたすと、取り込んだ気が肺から腎へうまく移動しません。呼吸困難や息切れなどは肺に対する気の出入りに障害が発生したためと言われています。

外生殖器、耳といった器官と深くつながっているのが腎です。腎機能が失調すると大小便を漏らしたり、難聴、耳鳴りといった症状を訴えるようになるとされます。更に唾液も腎の変調によって異常を招くことがあります。唾液は津液の一つで、養分を腎精に補給していると考えられています。食べ物の飲み込みや口内の湿りに関わっており、腎の異常から唾液量に影響を及ぼすことがあります。その他、腎は恐怖とも関係しており、抜け毛や白髪、尿失禁などをその損傷から招くとされます。