津液/しんえき

口から摂取した食物は脾と胃において消化され、それが体内へ取り込まれます。津液は脾が取り込んだ液体であって、これが体の全域にめぐります。肺の作用は津液の巡りにとても影響します。この液体は目や鼻、口腔を経て体外へ排泄されます。また、体内で要らなくなった液体は発汗や排尿という形で体外へ出て行きます。五液は体の表層を巡っている津液のことで、唾液や涙、鼻水、汗を意味します。血液ほどの養分を含有していませんが、それなり津液は栄養を含んでいると解釈されています。津液は津と液に分類されますが、前者はサラサラした液体と解されており、後者は頭の髄に蓄積していたり、関節に溜まっている液体を意味していて、それぞれ脳や関節の作用をサポートしていると考えられています。津液はどちらかといえば、スポーツ飲料に近い状態とされます。

気は血を作りますが、水穀の精微を原料にしています。この血は気化、推動、固摂の働きを受けています。気化によって血が形成され、推動によって押し動かされ、これが外部に漏れないように固摂によって抑制されます。

五臓六腑は東洋医学の領域で考えられている臓腑のことで、心と肝は各五臓の一つであり、両者は特に血の作用に影響しています。推動によって心は血を体の全域に巡らせる働きを有します。肝には血を溜めることと、血流をコントロールする役割があります。この機能を蔵血と言います。蔵血が十分に機能できないと出血傾向を招き、血が不十分になると体のあちこちで栄養不良を招きます。