神志/舌や汗に精神と意識の状態が現れる

心のバランスの変化はそのまま「こころ」の状態に結びつくと考えるのが東洋医学です。五つの神によって精神及び意識は制御されていると考えられていますが、心にはこれより上の神志(しんし)があると言われています。心のバランスが変動してしまうと、この神志にも悪影響が出て異常が出現するとされます。また知覚、意識といったものも正常ではなくなり、物を覚えることや決断力の低下、思考の正常さが失われるとされます。更に動作が緩慢になり、精神状態もおかしくなり、独り言なども見られるようになり、悪化すると昏睡状態を招くこともあると言われています。

他には就寝時間になっても速やかに眠りへ入ることができず、眠ったとしても浅い眠りで夢ばかり見る傾向にあるようです。神経の癒しの時間であるはずなのに、休むことができないという異常事態を招きます。

この心のバランスの変動は心自体の問題とは限らず、心の内部に存在する血の流れによってももたらされます。舌や汗にはこういった心の状態がよく現れやすいと考えられており、心の働きが落ちている場合、言葉をうまく発することができなくなって舌がもつれるなどの症状が見られるようです。また、汗を多くかく場合も心の働きが落ちていることがあります。