気の動作をコントロールする作用のことを東洋医学では疏泄(そせつ)と言います。肝の持つ機能の一つであり、肝にバランスの変化が現れると気の流れに異常を来たすと言われています。気が正常でなくなると更に津液と血にも変調を及ぼし、その流れにも異常が見られるようになります。
水湿は汚れて停滞した津液のことを意味しますが、このうち痰は水湿がドロドロ状になったものです。一方、サラサラしたものは湿と言います。呼吸器系の異常はこういった痰や湿の発生によるものと考えられています。於血(おけつ)は血の流れが滞って汚くなり、それが停滞してドロドロ状になったものを指しています。特に生理痛や月経不順など女性の方で見られます。
ストレスに晒されると疏泄機能は弱まりやすいと考えられており、これが胃や脾にも連鎖します。疏泄の異常が胃に連鎖すると胃痛等を招き、脾に連鎖すると下痢などを引き起こすと考えられています。胃潰瘍や十二指腸潰瘍などはこの疏泄機能が良くならないために悪化した病状とも言われています。また疏泄の機能が高まりすぎるとイライラ感を生じるとされますが、これは疏泄が気分などの感情もコントロールしているからだと言われています。反対に疏泄機能が低下すると不安感や抑鬱状態を招いたりするようです。