一つの症状に対する五臓の関係

現代の医学では血液に関わる病状なら循環器系に問題があると推測されて心臓などの検査を行います。また排尿が困難だったり、浮腫などが見られたりすると、腎臓や膀胱などに問題があるのではと推測されます。つまり、ある一つの症状が出た場合、特定臓器に異常があるのではと予測される訳です。これに対し東洋医学においてはある病状が見られるとあらゆる組織や器官に原因があると推測されています。

痰が肺に蓄積すると息切れや鼻詰まり、咳、鼻水などとなって症状が出ます。東洋医学では脾の働きのバランス変化から津液の滞りを招くと考えられており、その結果痰が発生し、肺へ運ばれるとされます。体の全域に水分を循環させている肺のバランスに変化が現れると、その内部で津液が滞り、痰が発生します。更に肺の働きをサポートする腎、肝のバランス変化によっても津液が滞ると考えられています。

一つの症状に対して様々な臓腑が関与していると考えるのが東洋医学であり、五臓の機能が均衡を保っていれば正常とされます。反対にいずれか特定臓器に異常が発生すると全五臓に影響を及ぼすと考えられています。