東洋医学では、血や気が不十分になると薄い唇の色になると言われています。また気の滞りから肝の機能が低下すると青っぽくなるとされます。これは寒邪が体内へ入り込んだからだと考えられており、於血(おけつ)や血の停滞が見られると青紫っぽくなると考えられています。
望診では歩行や皮膚の光沢、体格、顔色など見た目の他、大便や尿、痰、鼻水なども必要に応じて調べます。排泄物は寒が高まっていると、薄い色になる傾向にあり、熱が篭ると黄色くなるとさます。また身体に熱が篭ると粘度の高い鼻水で、黄色っぽくなるとされます。反対に水のように粘度の低い鼻水で鼻が詰まれば、肺が風邪で侵されていると考えられます。
小さい子供を対象に望診する際、人差し指の指紋を見ることがあります。異常がなければ淡紅色を示しますが、これには指紋をハッキリ出現させる必要性があります。付け根の方向に指先から数回こすりますが、その際内側の人差し指を対象にします。大人と比べると人差し指の内側の肌が薄くなっているため、顕著に指紋が浮かび上がります。