運化・昇精

消化吸収して体の全域へ配る働きのことを運化(うんか)と言います。この作用は脾の働きの一つであるため、脾にバランスの変化が出現すると運化にも悪影響が出てきます。腹部膨満感や下痢、食欲不振、腹痛などが示されると言われており、これがために消化吸収不良や食欲不振などを招き、延いては体内の栄養素が不足することになります。更にこの影響は連続し、気や津液、血、精などにも影響が出てきます。

運化の働きが弱まると、津液の巡りにも支障が出ると考えられています。身体を湿らす重要な水が津液ですが、これが体をうまく巡らなくなると滞って特定部分で停滞するようになります。するとそれが変化して余分な湿と呼ばれる水になり、延いては痰になって粘度を増すと言われています。また、呼吸器に支障が現れ、喘息や咳などを引き起こします。

昇精(しょうせい)も脾の機能の一つであり、東洋医学では持ち上げる働きのことを指しています。内臓が上部にあげられているのはこの作用のためと言われています。脾のバランスに変化が現れると昇精に異常を来たし、胃下垂や脱肛といった具合に内臓が下に降りてくると考えられています。