病は気からの理由

営気(えいき)が不十分になると養分が全身に巡らなくなります。衛気(えき)は夜に体内に存在しますが、昼になると肌の表面に出てきて邪気から体を守ると言われています。夜間に使う布団は衛気の代替用とされます。元気(げんき)は不十分になると活動力が落ち、病気に罹りやすいとされます。宗気(そうき)が足りなくなると、血の巡りも悪化します。清気が欠かせないため、外気を吸収して適切な呼吸を要します。尚、元気は胃と脾臓の機能をコントロールすることで改善されるとされます。これは気の基礎である後天の精がこれらの臓器で生成されていると考えられているためです。

気の働きでは、防御(ぼうぎょ)・気化(きか)・推動(すいどう)・固摂(こせつ)・温煦(おんく)作用が知られています。防御作用は外部の邪気から身体を守る働きで、衛気がこの役目を担います。気化作用は、排尿や発汗、また気や血、津液、精の変化を指しています。推動作用は津液や血を巡らせる働きのことで、細胞の活動や成長、発達を押し動かす働きです。固摂作用は発汗や排尿を抑え、血管から流出する血液を防ぐ働きを言います。温煦作用は体温保持の機能です。いずれかの気の働きが上手に機能しなくなると、病気を招きやすくなります。