舌質(ぜっしつ)は舌本体の形状やその色調で、舌苔(ぜったい)はコケに類似する舌表層に生えているものです。後者は東洋医学において胃の気が高まることで生えてくるものと考えられています。この特有の診断方法は舌診(ぜっしん)と呼ばれているもので、様々なデータが得られます。舌苔は健康であっても見られるものですが、疾患を招くとその原因や出現した症状によって舌苔自体の形状が変化し、色も変わると考えられています。
舌診では病気の進行具合やどの程度身体の奥に病気が入り込んでしまっているか、血と気のいずれが過剰若しくは過少なのかを判定できます。また邪気(じゃき)のタイプやその特徴など病気の要因を調べることができます。
赤っぽい舌色であれば、血と気が極端に循環し、熱が篭っていると考えられます。淡い色であれば、血と気が不十分であったり、気が弱体していたりするとされます。通常、健全であれば淡紅色の舌色になっています。