自閉症スペクトラムとADHD

自閉症は広汎性発達障害に含まれますが、どちらかといえば広い障害の分類に含まれ、同様のグループではアスペルガー症候群やレット症候群などが存在します。自閉症では言葉などの発達の遅滞や特定の物への執着、コミュニケーションをとるのが苦手といった特徴が際立ちます。また、脳機能の特定部分ではなく、それよりも広い範囲に障害を引き起こしているとも考えられています。

自閉症の主な特徴では以下のようなものがあります。

  • 視線を合わせようとしない
  • 視野のはしで見る
  • よく道に迷う
  • 物の一部に固執する
  • パニックを起こしやすい
  • 名前を呼んでもこちらを向かない
  • 言葉の発達遅滞
  • 笑いがあまりない
  • 指差しをしない
  • 常同運動が目立つ
  • 回転するものや流水などに興味を持つ
  • クレーン現象
  • 感覚が過敏
  • 特定のものに固執する

高機能自閉症ではADHDの特徴を現すことが多く、自閉症のおよそ二割程度がこの高機能自閉症だといわれています。知的障害がなく、周囲はADHDとの区別がつけにくいようです。
基本的に自閉症とADHDは併存しないと定義されていますが、現状では広汎性発達障害であっても同時にADHDの診断基準に該当するケースも多々あります。しかし自閉症の診断が下ると、たとえADHDの診断基準を満たしていても、自閉症の診断がまず優先されます。これは方針のようで、分かっていてもADHDの診断を下さないようにしているようです。

尚近年、レット症候群を除外した自閉症の領域を、同様の症候の連続体という観点から自閉症スペクトラムと称するケースも目立ちます。