シンボル機能は概念といったものを言葉などで象徴化することによって、内的に操って働かせる能力のことを意味します。この機能が得られる前段階として感覚運動期があると言われており、その期間は誕生してから二年前後とされます。幼児は一年ぐらいで軽い予測や物事の因果関係を理解するようになり、その後目に映っていないものを想像したり、喪失したものを探すようになったりします。二年を過ぎるとシンボル機能を応用した行動が活発になり、ごっこ遊びや遅延模倣などが見られるようになります。次第に言語に基づいた概念化や分類、関連付けなどの精神活動が向上していきます。小学校に入ると操作期と言われ、理論的な考え方ができるようになります。
脳神経回路の発達は生まれてからも続行し、思春期を迎える頃にその構築が完了します。また知能も発達していきます。新生児は得られた感覚へ反射的に行動するだけですが、これが徐々に能動的なものへと移行していきます。上記のようなプロセスを踏んでシンボル機能が発達していくわけですが、自閉症ではこの機能を得るのに時間がかかると言われています。そのため、真似や象徴遊びがあまり見られなかったり、言語の発達が遅滞するなどの異常を示すと推測されています。