心の理論

よく知られている検査では「サリーとアン課題」があります。まず、部屋でサリーとアンがいて遊んでいる時、サリーが籠の中へボールを入れて退室し、その後アンがボールを箱へ移します。そして再びサリーが部屋へ戻ってきた時に、サリーが最初に探す場所を質問する検査です。心の理論の発達に問題がある子供は、ここで「箱」と言います。しかし本来はサリーが籠へボールを入れたのですから、最初に探すのは「籠」だと容易に推測できるはずです。心の理論の形成に問題がなければ、通常は「籠」と答える訳です。その他、心の理論の検査法としてスマーティー課題もあります。

ところで心の理論とは、自分以外の人間が、自分と違った思考を持っているということを認識する機能を指します。通常、心の理論は四歳を迎える頃には働いていると考えられています。またこれと関わっているのは前部帯状回、上側頭溝上部、Broca野(ぶろーかや)と推測されています。