非定型

自閉症には対人関係の困難、こだわり、言葉の発達の遅れといった特徴があります。またおよそ80パーセント近くの自閉症で知的障害を同時に発症しています。その症状は多彩で、パッと見た感じでは同じ自閉症とは考えられないものまであります。個人によってそれぞれ特徴が異なり、上記四つの特徴の強弱、或いは軽いか重度かといった基準から大きく変化します。

非定型自閉症は対人関係の困難、こだわり、言葉の発達の遅れという三つの特徴のうち、いずれかが欠けているものを指します。また折れ線型自閉症はある時期から顕著に自閉症状を示す場合を言います。どちらも基本的には自閉症と似たような経過をたどる為、その治療は自閉症のそれに準じます。

発達障害に属する自閉症は他の発達障害との明確な線引きはなく、その境界もあいまいです。必ず典型的だとは言えず、上記のように非定型自閉症も存在します。またアスペルガー症候群と高機能自閉症などの区別は困難であり、近年では連続体、つまりスペクトラムという言葉で締めくくる傾向にあります。つまり、それぞれを区別するのではなく、大きな枠の中に入れて自閉症を解釈するというものです。

その他、成長に伴って症状が変化して行く事もあります。大抵三歳くらいまでに自閉症の診断は行えますが、その診断後に言葉の発達の上昇が見られたり、そのほかの特徴的な行動が薄れたりすることがあります。すると、最初に下した診断名は妥当でなくなってしまいます。特にADHDを併存させやすい自閉症では、ある時期から自閉症状を強く示すこともあります。