広汎性発達障害の原因

広汎性発達障害の原因は脳の障害ですが、どの部分の障害なのかその位置も明確になっていません。遺伝的要素が伺えますが、脳性麻痺や脳炎、なんらかの事故による脳出血でも起こります。色んな病気から出てくる病態であることが解明されています。ただ、広汎性発達障害はほとんどは生まれつきです。とはいえ、広汎性発達障害を引き起こす遺伝子の存在も確認されていません。

では、何が普通の人と違うのでしょうか。
これを説明するために心の理論という考え方があります。人間は大抵この神経回路を生まれつき有するとされ、広汎性発達障害ではそれが不完全なのではないかと考えられています。またこの神経回路を介することで、自分と似た考えを相手にも感じて安心し、更に気持ちを共有しようとします。この心の理論に不具合があると、自分と似た人間を理解しにくく、その人が持つ似たような考えを共有するのが困難になるとするものです。更には人の気持ちをくんだ上での処理が不得意になります。

広汎性発達障害を持つ子供達は、自分と他人の区別が困難で、他人が存在する意味もさえも上手く理解していないと言われています。そのため、自分と同様の考え方を持つ他人の存在もあまり理解できていません。このことが本人に孤独感を生じさせ、周りは良く分からない世界であると認識させるようになります。延いては自分の世界を確保し、その安定を維持させようとするのではないかとも言われています。

要するに広汎性発達障害の子供たちは、好き勝手にやってるように見えても、周への不安から恐怖に近い感覚を抱いているのではないかと指摘されています。移動した際にパニックを起こすのは、知らない所へきた上に、周りには知らない人ばかりで、自分に危害を加えてくるのではないかと不安になるとも考えられます。