広汎性発達障害とは

米国精神医学会が示すDSM-Ⅳによる診断基準では、広汎性発達障害を特定不能広汎性発達障害と自閉性障害に分類しています。このため、症状が軽いと医者によっては診断名が異なってしまうことも出てきます。これは主観的な理由が診察する際の判断に入ってしまうからです。更に症状が軽症化若しくは自閉性障害にあまり当てはまらない症例では特定不能広汎性発達障害と診断されますが、これは保護者が誤解してしまう恐れがあります。つまり、自分の子供が自閉症ではない、若しくは治癒したと考えてしまう訳です。

そこで出てきた名称が自閉症スペクトルというもので、これは自閉症の連続体を意味します。そもそも自閉性障害と特定不能広汎性発達障害の間に明らかな境界線がなく、本来はこれらを連続体と捉えたほうが理解しやすいのです。つまり、自閉症スペクトルという名称はこういった混乱を避ける意味でも適切な言葉ということができます。

ところで、現在、自閉症スペクトルは、自閉症スペクトラムという言葉で広く知られているようです。もちろんこれらは同義で、違いはありません。