大抵の人達は耳へ入ってきた音をフィルターにかける仕組みを持っています。つまり、選択的に必要な音だけを拾い集め、不必要もしくは自分に無関係だと判断された音は取り除かれることになります。自閉症においてはこういった仕組みが適切に機能していないと言われており、それが聴覚過敏を招くこともあるとされます。
他にも味覚が敏感なことから偏った食事をしていたり、視覚が過敏であるために食べ物の見た目の形や色調などで判断して好きなものだけを食べるといったものもあります。また触覚にも敏感さを認める場合があり、このケースでは触覚防衛とも呼んでいて、他人に触れられるのを拒否します。
自閉症の場合、不安から特異的な行動をすることが多く、例えば大きな集団に属しているとそれに不安を感じ、小さな集団へと移動することもあるようです。また、室内がごちゃごちゃしていると不安に感じる自閉症の子供もいるようで、その場合、構造化された空間の構築が重要になります。例えば同じ遊びであっても、遊びの種類によってわざと場所を作ってあげるという感じです。こういう風に構造化されると安心するようです。
ただし、視覚をはじめとする聴覚や触覚、味覚といった知覚過敏は、時間の経過と共に次第に慣れて行くようです。もちろん成人に至ってもこのような症状を残すこともあります。