過去にあった出来事を今日起こったように話すという具合に、広汎性発達障害の子供は時の流れを感じる感覚が乏しいと考えられています。例え、時計を見て時間を読めても、やはり時間の流れを感じ取るのが不得意と言われています。まるでタイムスリップしたような行動を起こし、現在と過去が混在してしまいます。過去にやるべきことを今日行ったり。
しかし、映像などは思い出すようで、例えばかつて撮影した写真などにはきちんと反応するようです。つまり前にあった出来事を思い出し、その感覚を振り返るといった具合です。
問題となるのは、急いだりジッと待つといった時間の流れに関係するものです。広汎性発達障害の子供は、これらの意味があまり分かっていないと考えられており、指示されても頭の中でうまく処理できないようです。このため、絵に描いてイメージとして理解できるよう工夫するのも良いようです。
その他、想像性の欠如にも関係しているのか、未来に対して心待ちにするという感覚も乏しいようです。例えば、あと何日で誕生日がくるかなどです。普通の子供は、こういったイベントを心待ちにするものですが、広汎性発達障害の子供は例え知能が高いほうに分類されても、このような時間の感覚が不得意とされます。
これらの改善には原則、視覚的なデータも取り入れて、その理解を促進させるのが有効のようです。また広汎性発達障害の場合、認識に関しては聴覚より視覚のほうが優れている傾向にあるようです。ただし全ての広汎性発達障害に当てはまるわけではありません。