異常は二歳まで認められませんが、大抵三歳以降に症状が出現します。例えばコミュニケーション能力や運動、精神といったもので、いずれも逆行若しくは崩壊を示します。崩壊の機能レベルは大半において明らかに下がりますが、基本的に低レベルで停滞し、進行性ではありません。しかし、意味のある言葉を発していたものがなくなり、行動に関わる予後は悪くなっています。原因はハッキリ分かっておらず、十万人に一人という発生頻度と言われています。女児より男児に多く見られ、その数値は3倍以上とされます。自閉症より痙攣を並存させるケースが多く、脳波の異常も強く見られます。時に排泄制御に問題が起こることもあります。ただ、生命予後は低くならないようです。治療法は自閉症のそれに準じます。
DSM-Ⅳ(小児期崩壊性障害の診断基準)
- 誕生してから最低二年間において異常のない発達が認められ、言語的並びに非言語的コミュニケーション、対人関係、適応行動、遊びが年齢相応である。
- 以下において二個以上に関する、十歳より前に得た技能消失が顕著。
- 遊び。
- 運動能力。
- 対人的技能若しくは適応行動。
- 表出性若しくは受容性言語
- 排便並びに排尿機能。
- 以下において二個以上の機能異常。
- コミュニケーションにおける質的障害。
- 反復的、限定的、興味、常同的行動、活動のタイプ。この場合、運動性常同症及び衒奇症も含む。
- 対人的相互反応に関する質的障害。
- 他の広汎性発達障害若しくは精神分裂病で当該障害を適切に説明できない。
尚、小児期崩壊性障害は自閉症スペクトラム障害を除く、広汎性発達障害に属します。