広汎性発達障害は大別すると孤立型、受動型、積極奇異型、尊大型、適応型に分類することができます。広く見られるタイプは、孤立型、受動型、積極奇異型ですが、ここでは尊大型と適応型を述べます。
尊大型は、アスペルガー症候群で多く見られます。一般には高機能広汎性発達障害で知的障害を認めないケースで見られる傾向にあり、発言の機能に問題があります。相手の気持ちを斟酌せずに発言するため、場合によっては相手を酷く傷つけてしまうこともあります。もちろん、本人に悪気はありません。相手が広汎性発達障害であることを知っていれば別ですが、知らなければ普通はトラブルを招きます。また、発言内容から想像しても分かるように、態度がでかすぎる特徴があります。尊大型という名称は、そういった本人の態度に由来します。
一方適応型は、その名の通り社会へ適切に適応できている広汎性発達障害の人を指します。
ところで一般には、年齢を重ねることで、孤立型から順に移行していくケースが多いとされます。次第に周りへの理解が深まり、だんだんコミュニケーションがとれるようになります。その過程で自分の精神世界を拡張させ、受動型へと移行していきます。対人関係は緩やかに改善し、周りとのやりとりから心の理論を形成していきます。そして周りへの不安が徐々に減少していくと同時に自分の精神世界を拡張させながら、知能も上昇していきます。多くの場合、こうして落ち着きを獲得し、自閉症の症状は改善していきます。