レット障害

Xq28上のMECP2遺伝子変異がほとんどのケースで見られ、基本的に女児に限定して発症します。一万人に一人という頻度で見られ、発達に関しては誕生してから半年程度、異常は認められません。しかしその後、次第に頭囲の成長が停止し、進行性に知能及び運動発達に遅滞が見られます。周りに対する興味があまりなくなり、自閉症と似たような経過を辿ります。三歳ごろに改善傾向を認めますが、痙攣や運動失調、歯ぎしり、過呼吸、強剛、側彎などの症状が現れます。小学校高学年頃には言語喪失や成長障害、側彎進行、手足の冷え、運動能低下などが出現します。

DSM-Ⅳ(レット障害の診断基準)

  1. 全てに当てはまる
    1. 出生の際、異常のない頭囲。
    2. 異常のない胎生期並びに周産期発達が顕著。
    3. 精神運動発達が生後五ヶ月において顕著に異常がない。
  2. 正常発達期間を経過してから全てに当てはまる
    1. 良くない協調歩行と躯幹動作の外観
    2. 誕生後五ヶ月から四十八ヶ月までの期間における頭囲成長の失速。
    3. 経過において早くから対人関係を有することの喪失。
    4. 重篤な精神運動制止を随伴させ、重い表出性並びに受容性の言語発達障害。
    5. 誕生後五ヶ月から三十ヶ月までの期間において、そこに至るまでに得た一定の目的に適っている手技能を消失した上、それ以降に常同的手の動作が現れる。

尚、レット障害は自閉症スペクトラム障害を除く広汎性発達障害に分類されます。