好きなことには驚くほどの能力も

アスペルガー症候群では好きなことを何度行っても飽きることはないようです。普通の子供が苦になることでも苦にならないわけですから、反復練習で上達するものであればとたんに習得してしまいます。多くの場合、その対象は人間より物へ向かいますが、これは人間に変化が多いためです。物は一定であることが多く、よく見られるのが自動車などに興味を示す子供です。しかし、記憶に関しては得意でも、情報を参照して新たな新展開を想像したり、これから先の予測などが苦手です。

ところで、人間は大きく分類すると多くのことを広く浅く知っている人と、狭くてもその部分を掘り下げて深く知っている人に分けられると思います。特にアスペルガー症候群では狭く深く物事を知っている人が多く、これはこだわりをもって反復する特徴によるものです。中でも集中力は通常の子供より高く、興味を持ったことにはとことん熱中します。また自閉症スペクトラムでは、一旦目や耳から入ってきた情報を写真などのように脳の記憶領域へ取り込み、それを正確に描いたり再現したりする人達がいます。こうなるともはや障害というよりも特殊能力です。ただ社会性やコミュニケーションなどで支障をきたすのが残念ですが、こういった特殊能力を持つ場合、サバン症候群と言います。