細かい部分に目が向く

定型発達の子供は人の顔の全体を確認して怒っているのか笑っているのかといった表情を確認します。ところがアスペルガー症候群ではまず目や口といった末端部分に目がいきます。そのため、怒っているのか笑っているのかを理解するのに若干時間を要します。これは脳機能が特有の手段で処理しているためです。

多くの人はまず全体像を大体の感じで確認し、それから末端部分へ注意を向けるものです。選択的な注意が機能しているためで、全体を理解するために末端の視覚データは除去されます。アスペルガー症候群だとこの選択的な注意が視覚においても適切に作用していないと考えられています。

とはいえ、末端部分ならすぐに記憶してしまうというケースも多くあり、このことは目で確認できるものならすぐに覚えてしまうということでもあります。こういった観点から言葉の解説で不足する部分を画像を使ったカードなどで、補うことも多くなっています。