連続体として捉える

アスペルガー症候群に良く似た特徴は、他の発達障害で生じるケースもあれば、学校で強者にいためつけられることなどによっても起こります。アスペルガー症候群の国際的な診断基準は存在しますが、その全てが当てはまる訳ではありません。線引きするのが困難とされる症例はいくつも見られ、生育歴や行動から判断するため、医者によっても結論も異なります。このため、現在では自閉症や高機能自閉症などと無理に分けるのではなく、アスペルガー症候群などを含め、一つの連続体としてとらえるスペクトラムという言葉が使われるようになっています。つまり自閉症スペクトラムと呼ばれるものです。

ところでアスペルガー症候群の行動特性は、適切な人間関係の構築を阻んでいるものと考えられています。例えば、こだわりの強さや感覚過敏、遊びのルールが守れない、実年齢に合った常識がない、物事を真に受ける、場の雰囲気を読めず、勘違いされる言葉を平気で使う、などがこの行動特性に該当します。もちろんこれらの行動は暗黙の了解や周りの目を気にする感覚が理解できないためで、本人には悪気はありません。また比喩や慣用句などがうまく理解できず、言葉の裏に隠れた意味をなかなか察することが出来ません。