定型発達の子供たちは、親の声を聞き取る際、他の自動車の音や足音、飛行機の音などを不必要として切り捨てています。アスペルガー症候群ではこれらの音の全部が耳へ取り込まれ、選択的に親の声へ注意を向けることができません。ごった返した場所を嫌うアスペルガー症候群ですが、背景にはこういった理由が潜んでいます。
周りの音を洪水のような雑音に感じてしまう子供では、大声を出して音を掻き消そうとする行動に出ることもあります。その際、耳を手で塞いで他の場所へ逃げ出そうとすることもあります。これは何も大きな音に限らず、他の子が気にしないような僅かな音に対して反応することもあります。一方、苦手な音もあります。例えば掃除機やおもちゃのピストルの音、怒鳴り声、サイレン、泣き声、針時計の音などがあります。嫌いな音には個人差がありますが、ケースによってはかなりの苦痛を伴うこともあるようです。また普通の人が耐えられない音であるのに、アスペルガー症候群では平気だったりすることもあります。
音に対して嫌がる子供への対応は、やはり今いる場所から音が聞こえない所へ足をのばすことです。