親子並行治療

最近、発達障害を持つ親が自分のことだけに没頭し、残った父親か母親のいずれかに子供の発達障害の問題が降りかかるというケースが指摘されています。
もともと子供の発達障害を問題にして診察していたのに、親自身の抱える発達障害が露出するという症例もあります。
何も特別な事例ではないようです。
つまり、両親のいずれかが発達障害やその他の問題を抱えていたり、子供の診察を介して子供と似た面を持つと意識しだしたりする場合です。
このようなケースでは、親子並行治療が行われます。
親の問題が明確になれば、親自身の問題に対処しながら、子供の性質をも理解しなければなりません。
その際、治療する側は親と子、それぞれ別の人が担当するのがほとんどです。
一人だと、どちらかに偏ってしまうためで、誤解を防ぐ意図があります。
当然、治療する側が二人以上いれば、情報を交換しながら検討して行きます。
仮に発達障害が親にも認められる場合、親には成人に対する発達障害の治療を要します。
二次的に発生している問題があれば、その治療も行います。
発達障害がない場合、子育ての苦悩からうつ状態などを招いている可能性もあるため、親子並行治療を行います。