行動の抑制

多動行動を起こしているADHDの子供に対しては、周囲もつい感情的になって叱責しがちです。突然何かに反応して動作したりする訳で、多動行動も力強く、それを抑えるのに一苦労することもあります。慣れていない両親ならなお更です。とはいえ、ADHDの子供を感情的になって叱ってもあまり意味がありません。これは周囲の状況を理解できる状態ではないからで、言葉で説得しようとしたり、力ずくで抑え込もうとしても上手く行かないのです。もちろん、力ずくといえども良識的な範囲での話です。

通常、ADHDの子供は外部からの圧力、つまり大声で怒鳴られたり、体の自由を奪われたりすると余計に興奮します。このため、周囲の人達は冷静に状況を見極める必要性があります。突然起こった多動行動にはそれを引き起こした原因があると思われるため、それを取り除くことを心がけます。また原因が分からなければ、一旦今いる場所を離れるのも一つの方法です。子供への話し方は極力落ち着いたものにし、大声で怒ったり、人格否定するような物言いをしてはいけません。自尊感情を損傷することは、二次障害につながるからです。