ADHDの特徴である多動性と衝動性は加齢に伴ってあまり表に出てこなくなります。このため、成人型のADHDをADD、つまり注意欠陥障害と呼ぶこともあります。
子供と大人での違い
子供は学校などである程度社会によって保護されていますが、成人した場合、独立しなければなりません。もちろん子供には子供の人間関係がありますが、大人の場合更に厳しくなると予想できます。ADHDが世に知られてあまり時間が経過していないため、ADHDだからといって接し方が大きく変わるものでもありません。これは大人の世界が利害関係でつながっていることも原因です。米国の調査では成人の場合、抑鬱などの並存障害が多いとの報告がありますが、これはADHDが知られていなかった時代において幼少期を過ごしたためとの見解があります。周囲から理解されないわけですから、様々な傷を背負って生きてきたものと推測でき、自尊感情の傷はもとより、抑鬱の程度もそれなりに強かったと考えられます。
ADHDは原則として成人になっても、脳機能に変化はありません。このため、成人になっても症状を継続させる場合もあります。また、多動行動は低下するものの、集中できなかったり物忘れなどが目立つため、ADD(注意欠陥障害)とも言われます。