この二次障害はADHDの自然な流れで発生するものではなく、社会の不適切な対応によって生じるものです。ADHDが反社会的行動を起こさせているという見方は、更なる二次障害を招く結果に繋がりかねません。
ADHDを有する子供たちが周囲にADHDと理解されないまま育つと、社会に対して憤りを感じるようになります。周りは扱い難いや質が悪い子供と捉えやすいため、これが子供の心を傷つけることになるのです。幼い頃から駄目な子と言われ、叱られ続ければ普通の子供でも歪んでしまいます。ましてADHDを有する子供は自分がADHDであることも理解しないケースも多いため、尚更です。
反抗挑戦性障害とは、大人に対して子供が反抗的な態度を見せる場合を言います。この現象はどんな子供でもでも大人へと発達していくプロセスにおいて踏む段階ですが、反抗的な態度が強すぎるケースにおいて、反抗挑戦性障害と呼ぶことがあります。この場合、何かを指示しても過剰に反抗して興奮するため、当人の自主性を促す方法に効果があると言われています。多くは、法的な問題を起こすことは無く経過しますが、対応を間違えれば、行為障害へと発展してしまうこともあります。
行為障害は反抗挑戦性障害が悪化したもので、暴力や万引きといった法的な問題へと発展したものです。一時的なものではなく繰り返し行われる点で、環境による誘惑ではなく、当人の性格として確立したものであると言えます。改善させるには叱責や批判だけでなく、当人の別の観点から見られる良さを見つけ出し、それを認めることです。また愛情はもちろん、必要とされていることを感じさせる環境も大切です。更に与える課題は当人の能力から実現できるものを選び、ゆとりをもって見守ることも重要となります。