日常でやることの優先順位は誰でもほとんど意識せずに決定しているものです。ADHDの子供はこういう決まりきった作業を上手くこなす事ができません。目新しいことや興奮などには異常に反応するものの、外部からの刺激によって容易に注意を削がれ、自分の意識を一律に維持することが困難になります。これが優先順位の判断をしにくくしている一因です。
普通の子供は周りの状況や大人の対応を参考にして、物事の優先順位を学習していきます。ところがADHDの子供はそういった周りの合図に意識を向けることができず、うまく優先順位のルールを体得することができません。ADHDの特徴である多動やジッとできない行動は、優先順位の決定を上手く行えないために生じる結果とも言えます。
そこで優先順位のルールを体得させるためには、まず優先順位を記した目録を見せて説明します。最も重要なことを最優先として、次に優先することを順に書いていきます。同時に自分で判断して行動できるように導いていきます。