ADHDの考え方

かつて微細脳損傷と呼ばれていた経緯があり、特有の症状は古くから認識されていました。注意欠陥/多動性障害、つまりADHDという呼び方は近年に入ってからのもので、多くの場合、年齢に伴って改善傾向を示します。時に不注意に限定して成人してもその症状を継続して示す場合もあります。

ただ、ADHDと分からず過ごすより、ADHDと診断された方が、その後の生活に好影響を与えます。ADHDを認識することで養育態度もしくは躾けによって多動や注意欠陥といった問題行動を起こすわけではないということを理解できるようになります。親は自分のせいだという罪悪感から開放されます。またADHDは4パーセント前後の子供に見られるため、自分の子供だけが障害を背負った訳ではないことを理解できるようになります。

およそ三歳ぐらいの子供の多くは多動です。ここでの診断は困難を極めますが、五歳ぐらいになると大抵の子供は落ち着いてくるものです。つまり診断するのに適した時期は大体5歳ぐらいで、この時期に問題行動が際立ってくると診断も容易になります。