話すと、主語が飛んだり、単語の羅列、指示語多く使うといった特徴を示すLDの子供もいます。聞いているほうは何が言いたいのか理解できません。また、分からない旨を伝えられるため、上記を苦手とするLDの子供たちは更に話すのが困難になります。こういう子供達は学校の勉強でも教師の話は分かっており、質問の答えは理解しています。しかし、教師から質問されると答えられなくなるという特徴を示します。緊張もあるのかも知れませんが、こういった症例は記憶に関係する領域に障害があるためと考えられています。このため、文法のルールなどがきちんと記憶できず、自分の考えを適切に表現することができません。原因としては、うまく答えられなかった時の過去の心理的苦痛の回想も重なっていますが、仮に脳の中で記憶を呼び起こす箇所に問題があるケースでは、それを取り出すのに時間を要し、場合によっては取り出せないまま経過してしまうこともあります。
一方、話し好きでも的を得ない話をだらだらするLDの子供もいますが、一見物を考える能力や理解力が低いと考えられがちです。しかし、いずれの能力も通常より勝っているケースは多々あります。とはいえ、これは短期記憶に支障を来たしていると考えられており、そのため話す内容を忘却したり、話がだんだん逸れて行ったりします。
また、自分のことを一方的に話すLDの子供もいますが、この場合言葉のキャッチボールが出来ていません。時に難解な言葉を使用し、理論整然と見えるものですが、基本的には会話が成り立っていません。また相手に顔を近づけるなど、話す際の妥当な距離感をつかめません。こういった非言語性LDの症例ではコミュニケーションをとるための言葉という観点から問題へアプローチするべきです。相手の気持ちを察することが出来ないため、相手が嫌悪感を示してもそのまま話を継続してしまいます。
その他、LDの子供では構音障害がやや見られます。多くは時間の経過に伴って改善を示しますが、時に残存することもあり、これが原因で就学後にからかわれることもあるようです。