LDの中で一番多いのが、読むのを苦手とするパターンです。一文字ずつ読んだり、何度も同じ部分を読んだり、時に読み間違えたり、行を飛ばして読んでしまうこともあります。これは目で文字を順に読んで言葉として発音するのが困難になっているからです。また、言葉の意味は分かっているため、話すことはできます。これを読字障害と言い、LDでは知能は高いのに文字を読めないというケースが多くなっています。
このパターンのLDは文字と音を結合させる働きに問題があると考えられています。通常、視覚や聴覚情報を認識し、無意識に音韻操作を行います。このため、慣れるにつれ即時に文字を音に変換するのが容易になります。読字障害がある場合、視覚性読み障害と音韻性読み障害が今のところ考えられる原因です。
視覚性読み障害は眼球の複雑な運動がうまく機能していないところに原因を求めています。通常、文字を読む際は一文字ずつと思われがちですが、眼球は先の単語を読むなど多彩な検索を即時に行っています。この機能が弱いと、文字をうまく読めず、更にはどの部分を読んでいるのかさえ分からなくなることもあります。
一方、音韻性読み障害がある場合、聴覚認知に問題があるとされます。似たような音韻を読み違えたり、字と音が違う助詞を読むのが困難とされます。
尚、読字障害はディスレクシアのことで、この言葉はヨーロッパで誕生しています。これに対してLDは米国で誕生しましたが、通常、どちらも同じ意味として使われています。またディスレクシアがあると、英語の発音が困難とされます。これは発音しない文字が英語に含まれているためで、英語を習う時期になってようやくディスレクシアが顕著になる症例も見られます。