知的な滞りは認めないもの、計算をはじめ、読んだり書いたり、話したり聞いたり、推論するといった機能のいずれかを不得意とするのがLDです。つまり、特定能力だけを苦手とする状態で、例えば、よくしゃべって話すことは得意でも、文章が読めなかったり、漢字がうまく書けなかったりします。能力に偏りを認めますが、人によっては高度な遊びを上手くこなすのに、読み書きが困難という特徴を示す場合もあります。精神遅滞としばしば誤解を受けますが、基本的に知的機能の発達が低い知的障害とは違います。また、こういった視点から能力の偏りを単に特徴や個性といった見方が適切であるという指摘もあります。
LDは幼稚園や保育園関係者によって、何となく他の子供と異なるといった指摘から気付かれることもありますが、特に小学校以降の学習面によって特定能力の偏りが顕著になるようです。原則、完治することはありませんが、早期に気付いて、対応を間違わなければ、軽度の症状で乗り切ることが可能と考えられています。逆にほったらかしにすると様々なトラブルを抱え、社会不適合な性質を持つこともあります。
LDは発達障害の一種であり、小さい頃にADHDと診断された後、特定能力の偏りが顕著になってLDへと診断名が変わることもよくあります。発達障害はLDをはじめとする、自閉症やアスペルガー症候群、ADHDなどであり、これらは併存することもよくあります。従って、医者によっては診断が違うこともしばしばあります。これはそれぞれの発達障害を判断する境界線が不明瞭であるためで、近年では連続体を意味するスペクトラムが使われます。