相手の話が理解できない

言葉の発達の遅滞はLDを認める子供の多くに見られます。初めて言葉を話すのが通常より遅く、その上達もうまく行きません。また、単語の数も少なく、言葉を聞いていても反応が鈍いといった症状が続きます。そしてしばらくして上達していくケースとより顕著に問題化していくケースがあり、問題化する場合を言語性LDと言います。

原因としては短期記憶や音の選別の困難さがあげられます。短期記憶がうまくいかないと、瞬く間に忘却してしまうため、話を聞きながら書き留めるといった作業も困難になります。一方、音の選別が困難だと、聞きたい音を選んで取り入れることがうまくできません。いずれの音も同程度に感じられるため、聞き間違いなども多くなります。会話が成り立たないこともあり、聞き間違いからトラブルを招くこともあります。また、相手の話を何度も聞き返すこともありますが、これは聞こえているはずの声を言葉として認識できず、混乱しているためです。

その他、言葉の理解力や表現力は普通である非言語性LDも存在します。こちらは人が話している最中に突然口を挟むという特徴があり、ジッとすることを得意としないADHDを併存若しくはその傾向を示す子供に多いとされます。しかし言葉自体は理解できていても、相手の微妙なニュアンスを察するのが苦手なため、軽い冗談を真に受けたりする傾向にあります。どちらかと言えば、アスペルガー症候群に似ていて、周囲はその大げさな反応をからかい、友達とのトラブルを招く恐れもあります。